法政国際教育協力研究センター長
名古屋大学大学院法学研究科教授
村上 正子
20年の歴史から、新たな発展へ
2022年4月から法政国際教育協力研究センター(CALE)のセンター長を務めることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
アジア地域の専門家ではない私は、数年前までアジアとの関係といえば、観光で数ヵ国を訪問したことがある程度でした。しかし2016年に名古屋大学に着任して以来、日本法教育研究センター(CJL)の教務主任として、また留学生の指導を通して、主に教育・人材育成の面でCALEの活動の一端を担う機会を得、今ではアジア地域の研究にも大いに魅力を感じるようになりました。
CALEは2022年に設立20周年という節目の年を迎えます。この20年間、CALEは様々な形で多くの方々に支えられてきました。法整備支援事業・アジア法研究は、同窓生等多くの方々のご寄付で始まりましたし、最近では、関係大学・企業・個人のご協力を得て、CJLコンソーシアムも立ち上げました。これまでの活動を支えて下さったすべての皆様に、この場を借りて深く御礼申し上げます。
皆様のご支援の下で、CALEは、その代名詞ともいえる法整備支援を軸に発展し、実績を積み上げてきました。この間、本学法学研究科に留学して学位を取得し、本国で活躍する若い専門家も増えました。ただし今日では、アジアにおける権威主義国家の台頭が問題になってきおり、法整備支援のあり方自体も問われる状況にあります。これまでの蓄積を基礎に、アジア諸国の若い世代との組織的・継続的な研究協力体制を構築し世界に発信していくこと、法学研究科教員と協力しながら国内外の機関との連携を一層強化していくことなどが、今後CALEが果たすべき新たなミッションではないかと考えています。
2020年の年明けから新型コロナウイルスが猛威を振るい、これまであたりまえにできた自由な往来が制限され、いまだ収束の兆しが見えない日々が続いています。しかし、このような状況だからこそ見つかる、新たな道もあるのではないでしょうか。柔軟な発想で色々なことに挑戦し、私にとってもCALEにとっても、次のステージへの飛躍となる道筋を模索していきたいと思っています。今後とも皆様からお力添えを頂ければ大変心強く思います。