アジアの途上国に日本法教育研究センターが設立されたのは、ウズベキスタンのタシケント国立法科大学が最初であり、2005年9月のことでした。それ以来、モンゴル、ベトナム(ハノイ・ホーチミン)、カンボジア、ミャンマー、インドネシア、ラオスとセンターの数が増えて来ました。これまでは名古屋大学がこのセンターの運営を担当して来ましたが、今回、全国の多くの大学の賛同と協力を得て、これらのセンターの運営を大学コンソーシアムによって行うことになりました。
本来、途上国に対する法学教育支援は、一つの大学が担えるものではなく、全国の大学が協力して行ってこそ、大きな成果が得られるものです。今回、このようなコンソーシアムが結成されましたことは、日本の法学教育の歴史の中で、極めてエポックメイキングな出来事であると思います。とはいえ、途上国に対する法学教育支援は、とても大事なことではあるけれども、同時に極めて難しい課題でもあります。例えば、教科書をどうするか、留学生に法学教育をどのように行っていくのか、など多くの難問があります。
コンソーシアムを通じて、これらの新しい課題に果敢に挑戦していくなかで、新しい日本の法学が形成されていくことを願っています。
現在、経済のグローバル化の著しい進展により、日本の法学者・法律実務家には、これに対応する役割も果たすことが期待されるようになっています。それに伴い、日本の大学が提供する法学教育の内容や方法にも、これまでの知恵を生かしながら、大胆な改善を加えていく必要があると考えられます。また、アジア地域との経済交流が活発化する中、各国との交流をますます促進するために、各国法情報およびこれらに精通した人材が求められています。
名古屋大学がアジア各国の大学に設置した「日本法教育研究センター」では、日本法や日本の法学を手がかりとした研究・教育交流活動が実施されています。わたくしたちは、この「日本法教育研究センター」事業を、「オールジャパン」の事業と位置づけるため、「コンソーシアム」を創設し、名古屋大学とともに、本事業に参画するための受け皿としたいと考えました。センターでの日本法・日本の法学をキーワードとした交流の経験・実績・ネットワークがオープン・リソースとなれば、日本の大学・研究者・実務家・企業への計り知れない波及効果があると確信しております。
コンソーシアムにおける活動をコーディネートし、サポートするためには、コンソーシアムという組織とそれを支えるスタッフおよびランニングコストが必要です。コンソーシアムでは、団体正会員として、国内大学部局を、個人正会員として、日本法教育研究センターの活動に専門的関心を有する研究者や実務家を組織したいと考えております。さらに、学界以外からの支援を受けるため、協賛会員(団体・個人)もサポーターとして募りたいと思います。
皆様方におかれましては、本コンソーシアムへの参画およびご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。
2017年5月
(機関名の五十音順)
本コンソーシアムは、法学の研究・教育分野におけるアジアを舞台とした国際交流を促進するため、名古屋大学大学院法学研究科および同法政国際教育協力研究センター(CALE)が運営する日本法教育研究センターの事業に参画することを目的とする。
会長 | 鮎京 正訓 (名古屋大学名誉教授) |
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事務局長 | 小畑 郁 (名古屋大学大学院法学研究科教授) |
理事 | 竹下 啓介 (一橋大学大学院法学研究科長) |
武田 邦宣 (大阪大学法学研究科長) | |
中東 正文 (名古屋大学大学院法学研究科長) | |
松尾 弘 (慶應義塾大学大学院法務研究科教授) | |
合田 篤子 (金沢大学人間社会学域法学類長) | |
監事 | 須網 隆夫 (早稲田大学法学学術院教授) |
徳本 穣 (九州大学大学院法学研究院長) |
団体正会員 |
名古屋大学大学院法学研究科 名古屋大学法政国際教育協力研究センター 九州大学大学院法学研究院 大阪大学法学部 早稲田大学法学学術院 慶應義塾大学大学院法務研究科 一橋大学大学院法学研究科 関西大学法学部 朝日大学法学部 立命館大学法学部 名古屋経済大学 広島大学大学院法務研究科 金沢大学人間社会学域法学類 西南学院大学法学部 北海道大学大学院法学研究科 関西大学政策創造学部・大学院ガバナンス研究科 ※申込受付順 |
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オブザーバー団体 | 法務省法務総合研究所国際協力部 (2018年2月13日承認) 日本弁護士連合会 (2018年6月4日承認) 独立行政法人国際協力機構 (2018年7月10日承認) 公益財団法人国際民商事法センター (2018年8月8日承認) |
教材開発作業部会 |
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個人正会員 | 35名 |
団体協賛会員 | 株式会社TKCリーガルデータベース営業部 矢橋ホールディングス株式会社 ヤバシインターナショナル株式会社 矢橋林業株式会社 矢橋工業株式会社 三星砿業株式会社 TMI総合法律事務所 大江橋法律事務所 株式会社有斐閣 信山社出版株式会社 株式会社判例時報社 株式会社日本評論社 株式会社名南精密製作所 株式会社千年社 株式会社十六銀行 株式会社十六総合研究所 ブラザー工業株式会社 株式会社サーテックカリヤ TSUCHIYA株式会社 株式会社大垣共立銀行 特別非営利活動法人アジア・環太平洋法律研究所 税理士法人成和 加山興業株式会社 ※申込受付順 |
個人協賛会員 | 5名 |