国際シンポジウム「法と開発」をめぐる日本・ブラジルの対話 of 国際シンポジム「法と開発をめぐる日本・ブラジルの対話

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日程:2010年10月30日(土)10:30~17:00

会場:名古屋大学大学院国際開発研究科・多目的オーデトリアム(8F)

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言語

日本語・ポルトガル語による同時通訳

参加費

無料

申込方法

申込書に必要事項を記入の上、事務局へE-mailかFAXにて送付してください。
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主催

「『法と開発』をめぐる日本・ブラジルの対話」実行委員会
名古屋大学大学院法学研究科
名古屋大学大学院国際開発研究科(GSID)
名古屋大学法政国際教育協力研究センター(CALE)

助成

国際交流基金「知的交流会議助成プログラム」

後援

駐日ブラジル大使館
法務総合研究所(申請中)
独立行政法人国際協力機構(JICA)


プログラム:

10:30~11:00 開会式(30分)

  開会の辞:鮎京正訓(名古屋大学大学院法学研究科長)
  来賓挨拶

11:00~11:20(20分)

  趣旨説明:島田弦(名古屋大学大学院国際開発研究科・准教授)

11:20~12:10

  基調講演(50分) オスカル・ヴィリェナ・ヴィエイラ(ジェトゥリオ・ヴァルガス財団サンパウロ法科大学院・教授)

12:10~13:10 

  昼食(60分)

13:10~14:00

  基調講演(50分) 大屋雄裕(名古屋大学大学院法学研究科・准教授)

14:00~14:20 

  休憩(20分)

14:20~14:40(20分)

  コメント(1) 松尾弘(慶応義塾大学大学院法務研究科・教授)

14:40~15:00(20分)

  コメント(2) 川畑博昭(愛知県立大学日本文化学部・准教授)

15:00~15:20 

  休憩(20分)

15:20~16:50 

  全体討論(90分)

16:50~17:00 

  閉会式(10分)

17:30~19:30 

  懇親夕食会

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目的

 名古屋大学大学院法学研究科・法政国際教育協力研究センター(CALE)は、1960年代における法と開発運動、並びに現在の法整備支援の意義について討議するため、ブラジルよりジェトゥリオ・ヴァルガス財団サンパウロ法科大学院(Direito GV)のスタッフを招聘する。

 ブラジルは、1960年代においてアメリカ法学界および援助機関によって行われた「法と開発」運動の主たる対象国の一つであった。「法と開発」運動は、国家の近代化のために法制度改革を利用しようとする野心的な社会実験であった。しかしながら、ブラジルにおいては、「法と開発」運動は1970年代にそのプロジェクトが終息している。トゥルーベック=ギャランター(1974)は、「法と開発」運動が途上国における現実の状況に注意を払わず、またそれらの国に理想化されたアメリカ法のイメージを適用することを強いたために、危機状態にあるとした。

 他方、タマナハ(1995)は、トゥルーベック=ギャランターを批判し、法的近代化の必要性も、またそのそれに関する実践も依然として存在していると主張する。タマナハは、「法と開発」運動の10年間は、近代化に向けた法制度改革の結果を判断するには短すぎるとする。川畑(2004)も、ラテンアメリカ諸国においてさえ、「法と開発」運動への評価は両義的であることを指摘する。

 法の機能は、そのほかの社会的条件(たとえば、経済や教育の水準、宗教的または文化的背景、情報通信技術、治安など)に依存している。したがって、法の近代化改革の効果を評価するためには長期的な観察が必要である。
1990年代以降、法整備支援は、計画経済から市場経済への体制移行諸国、紛争後国、民主化過程国、および途上国一般に対する国際援助の重要な構成要素として成長してきた。「法と開発」運動の経験は、現在の法整備支援にとって貴重な情報となるであろう。
以上のような視点から、このワークショップのコーディネータは、論点として以下の3つを設定した(ただし、これだけに限定するものではない):

(1)ブラジルにとっての「法と開発」運動の過去と現在

 「法と開発」運動は短命なプロジェクトであったが、法制度あるいは法文化の移植に関する社会実験としての意義を有していた。このワークショップの目的の一つは、法整備支援の対象国への影響について論じることである。「法と開発」運動はこの点に関して良い教訓を提供するであろう。
 
 「法と開発」運動はブラジルの法制度に影響を与えたのか、またそれはどのようなものであるか?あるいは、「法と開発」運動はブラジルに何も残さなかったのか、またそれはなぜか?FGV Direito Rioは、この問題について論じるのに最適任である。この点は、単なる歴史的回顧ではない。ブラジルは、特にラテンアメリカ諸国およびポルトガル語諸国に対する法分野の国際協力において重要な役割を果たすであろうから、「法と開発」運動の経験は今日のブラジルにとっても重要である。

(2)日本の法整備支援にとっての「法と開発」運動

 日本は、法整備支援に積極的に取り組んでいる。日本の支援対象国は、主に社会主義計画経済から市場経済への移行過程にある国々である(ベトナム、カンボジア、ラオス、モンゴル、ウズベキスタン)。カンボジアをのぞけば、これらの国々は、とりわけ公法分野について言えば、長期にわたる独自の法制度を有してきている。この状況は、ブラジルやチリが当時、それら自身の長い憲法体制の歴史を有していた「法と開発」運動と類似している。この観点から、日本側の報告者は、日本の法整備支援の文脈における「法と開発」運動の意味について論じることが期待される。

(3)開発のための法の役割

 1960年代において、新興独立国の開発と国際開発援助は国際的な課題となった。「法と開発」運動もこの文脈にあった。「法と開発」運動の目的は、国際開発協力、すなわち経済生産性を拡大するために外部からある国の社会的・経済的変容を促進することであった。経済開発を強調することは、法と開発運動の特徴である。経済開発は、今日の法整備支援においても重要な要素である。

 「法と開発」運動に関わった研究者たちは、非ヨーロッパ法に関する豊かな知的ストックを生み出した。しかしながら、「法と開発」運動も、また現在の法整備支援も、国際開発協力の枠組みの中にあるのだから、我々は法分野における国際協力がどのように支援対象国の開発に影響を与えるかということについて、もっと焦点を当てるべきである。