センター長挨拶

s-藤本センター長お写真.jpg法交流を通じての法学教育研究の発展へ

 2019年4月から法政国際教育協力研究センター長を務めることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。諸先輩方が開拓し、築き上げてきた「法整備支援」、そして「法協力」・「法交流」の多大なる成果を前に身が引き締まる思いです。そのさらなる発展につなげるために微力ながら精一杯務めさせていただきます。
 日本法教育研究センターでの教育課程を修了し、厳しい選抜を経てきた者を含む、日本語で修士論文を書く留学生対象の「研究方法論I・II」を法学研究科で担当しております。入学時点での彼ら彼女らの研究計画はえてして日本の法制度について理想化する傾向が強いので、日本に限らず先進国とされる国々でも多くの問題があるのだということを繰り返しています。研究指導を担当している院生には、自分の出身国・出身地域について当たり前と思って看過していることを意識化し、記述することの重要性をよく口にします。彼ら彼女らの課題意識から、法・正義と社会のあり方 についての根本的な問いを発見できるようなアドバイスを心がけています。しかし、これらのことは、明治以来、日本の研究者に対しても常に問われてきた点でもあります。出羽守(ではのかみ、「○○国では云々」が口癖=外国礼賛のステレオタイプ)は近時ではSNS等でこのタイプの議論をする人を揶揄するときに使われるようですが、外国法研究や比較法研究を行うときの戒めとして長く使われてきています。
 日本法教育研究センターのスタッフ・関係者は、日本法教育の教材についても長年に渡り検討と改善を重ねてきております。他方、それはまた日本の法学部における教育方法や内容についてもどうあるべきか考えさせられることにつながっています。CALEは、Center for Asian Legal Exchangeの頭文字ですが、このExchangeという観点で、これまで展開されてきたさまざまな活動を重ねていくことで、国際的な人材育成と、そしてさらには法学の発展にも寄与することができればとも考えております。
 引き続き、法政国際教育協力研究センターに対するご指導とご助力を心よりお願いいたします。

法政国際教育協力研究センター長・名古屋大学大学院法学研究科教授
藤本 亮